「柴犬のふるさと益田へようこそ!」
萩・石見空港で柴犬のお出迎えがスタートしました!

2022/06/18

※萩・石見空港さんと「益田柴犬育成会」さんが開催されていらっしゃる【柴犬オールスターズお出迎え】イベントに行ってきました! ◎「柴犬の祖・石号」について関心のある方はこちらをどうぞ。 ノンフィクション「強運の犬」 https://novel.daysneo.com/works/b7b1f… 「萩・石見空港」2020年6月18日、第1回目のお出迎えです!

【引用:https://www.youtube.com/watch?v=yZM5mQvcvGk】

かわいすぎると話題! 世界で唯一
柴犬が出迎えてくれる空港の秘密

ズラッと並んだ柴犬が、しっぽを振って大歓迎。世界でここだけの「柴犬によるお出迎え」目当てに、島根県の萩・石見空港へ多くの人がやってきます。わざわざ飛行機に乗って、愛犬家たちが柴犬に会いにおとずれる理由とは? そこには、石見の地と柴犬との驚きの事実が関係していました。

2022年6月に始まった、月に2回の柴犬によるお出迎えイベント。地元益田市の柴犬を中心に、多い時で約20頭が整列。山口県萩市から参加のワンちゃんもいるのだとか。コロコロとした愛くるしいフォルムに、大人も子どももキュン! まずは飼い主さんにひと声かけてから、柴犬とのふれあいや記念撮影を楽しみましょう。

柴犬と一緒に写真撮影を楽しむ観光客。

柴犬のお出迎え誕生のきっかけ

昭和のはじめ、現在の益田市にあたる地域に「石号」という名の石見犬(石州犬)がいました。この石号、実は柴犬の元祖となる犬。つまり、益田市は柴犬誕生の地なのです! けれど、この驚きの事実は地元でもあまり知られていなかったそう。「柴犬のルーツや石号のことを、もっと多くの人に知ってほしい」。こんな思いから、同じ益田市にある萩・石見空港と日本犬益田柴犬育成会がタッグを組み、柴犬のお出迎えイベントが誕生しました。

NPO法人 日本犬益田柴犬育成会に所属する柴犬と飼い主さんがお出迎え。

ニッコリと笑ったような顔立ちで、愛嬌たっぷりな柴犬。世界中で愛されている約60万頭すべてが「石号」の血を受け継いでいます。飛行機から降りて真っ先に出てきたお客さんは「神奈川からワンちゃんたちに会いにきました。実はこれが2回目なんです」。柴犬に会うために飛行機でやって来るだけでも驚きなのに、まさかリピーターまでいるなんて!

観光客に可愛がってもらって嬉しそう(写真:NPO法人 日本犬益田柴犬育成会 柳尾敦男会長提供)
集まっている柴犬は、みな予防接種済み。安心してふれあいを楽しむことができる。

わざわざ飛行機で柴犬に会いにくる理由

空港のお出迎えイベントを楽しんだ人々は、その後どこへ向かうのでしょうか。調べてみると、どうやら柴犬好きなら一度は訪れてみたいスポットがあるよう。益田市美都町にある「柴犬の祖 石号記念館」。実はここ、かつて石号が暮らしていた生家が残る場所。現在は町おこしのために石号の像が建てられ、柴犬にゆかりのある人々がたくさん訪れる聖地となっています。

萩・石見空港から車で45分の石号の生家。2019年に地元の地域自治組織「ぬくもりの里二川」によって石像が建てられた。

石号の像と記念撮影したり、生家に併設された石号記念館の展示を眺めたりする愛犬家たち。ご来館記念帳を開くと、多くの人が記した「石号ありがとう」の文字が目に入ります。愛犬に出会えた感謝の気持ちを、先祖である石号に伝えたい! そんな思いを持った人も、石号の故郷を訪れているようです。よく見ると、東京や神奈川といった遠方から来た人のメッセージも。わざわざ飛行機で柴犬に会いに来ていた人々も、この中にいるかもしれません。

石号はずっと益田市で暮らしたわけではありません。昭和11年、石号が5歳の頃に飼い主さんとお別れをして東京へ移り住みます。目的は、日本古来の犬種の保存という役目を果たすため。当時の人々にとって、犬がどんな存在だったのかは分かりません。けれど、現代ではペットも家族同然。愛犬と離れて暮らすなんて、想像するだけで涙が溢れてくる人も多いはず。石号は住み慣れた地を離れ、東京で多くの子孫を残してくれた。そのおかげで愛する我がと巡り会えたと思うと、どうしても石号にお礼を言いに行きたい。こんな思いが人々を旅へと突き動かすのでしょう。

高台にある石号の生家。ふもとには駐車場とお手洗いが整備されている。

強運にあやかりたい!石像に隠された文字探し

石号の像には「石」の文字が彫ってあり、これを見つけると強運にあやかれるという噂があります。なぜ強運なのか、その理由は石号が感染症などに倒れることなく、元気な子孫を後に残したから。また石号の子どもたちも、戦時中の混乱を生き抜いて命のバトンを繋いできました。「我が家のワンちゃんも、石号みたいに健康で長生きしてほしい」。そんな思いを持ちながら、愛犬家の皆さんは石の字探しを楽しんでいます。

「美都温泉 湯元館」にある石号の像。

実は、石号の石像はもうひとつあるんです。美肌の湯として知られ、日帰り入浴も楽しめる「美都温泉 湯元館」。ここに凛と構える石号には、生家の像とはまた違う位置に「石」の字が刻まれているのだそう。両方とも見つけられた人は、もっと強い運を得られるかも。

温泉施設や、レストランを利用するお客さんをお出迎えする石号。

11月2日は石号の誕生日です。益田市美都町では毎年バースデーイベントが開かれ、多くの犬好きさんが集まっています。萩・石見空港での柴犬のお出迎えイベントは、毎月第1・第3土曜日の午前中に開催です。かわいいワンちゃんのお出迎えから始まる聖地巡礼の旅。柴犬好きなら、一度は行ってみたいと思いませんか?

※柴犬のお出迎えイベントは、2024年1月から第1土曜日と第3日曜日の開催となります。

【引用:https://www.kankou-shimane.com/hagiiwami-magazine/editorspicks/006/